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数の子・皮むき:おいしさの秘密

おいしさの秘密


◆数の子・皮むきの美味しさ4つの秘密

1 北陸で栄えた「北前船」

さて、江戸中期から明治時代にかけて、北海道と大阪方面を結ぶ重要な航路があり、上りは北海道からニシンやサケ、昆布などの海産物、下りは米、塩、木綿、古着、サケなどを積んだこの船は「北前船」と呼ばれ、「一航海千両の利」と言われる黄金航海を行っていました。

この時、金沢にもたらされたのが「ふぐヌカ漬・カス漬」「金沢・大野醤油」「棒だら」で、今日の京料理・日本料理に使われるものの幾つかが、この金沢の北前船によってもたらされました。

金沢ってエライ(^-^)

さて、 江戸時代、松前藩は、北海道では米がとれないため、北前船で米を輸入し、ニシンを輸出し将軍にもニシンを献上していました。
米に代わって大きな役割を果たしてきたニシンは、まさに 「魚にして魚にあらず(非ず)」。ニシンには「鯡」という書き方もあるように、当時の人々にとっては価値あるものだったのです。

北海道沿岸のニシン漁は昭和30年代を最後に途絶え、現在では石狩湾、厚岸湖、風蓮湖などの一部でしか獲られていません。ましてや加工向けの原料ニシンとなると全く漁獲されていない状態です。
このため皆さんの食卓を飾る数の子の原料は、アメリカ(アラスカ)、カナダ、イギリス、オランダなどの国から子持ちニシン(抱卵ニシンと言います)や、現地で前処理されたあと原料数の子の形などで輸入されています。

これらの色々な漁場で獲られたニシンのうち、カナダやアラスカ産の太平洋ニシンから取られた数の子は主として塩蔵加工されて業務用の「高級・塩数の子」として販売され、スコットランドやシェットランド産の原料は「一般家庭用の塩数の子」と「味付け数の子」に、そしてカナダ東海岸の原料は「味付け数の子」の原料として使われます。

これが店によって値段の幅がある秘密なんです。
当店はもちろん業務用の最高級品のカナダ産です。
今日一日ですごく食通グルメになったでしょう。

2 数の子の良し悪しはパリパリ感

数の子の良し悪しは何によって決まるかというと、「パリパリ感」です。
だから、皮の付いている普通の数の子の見極め方の極意は、

●薄皮にしっかり覆われているもの
  1. ●透明感があり、黄色がキレイなもの
  2. ●押してみて、張りのあり、 身のしっかりしているもの

  3. をお選び下さい。
当店の選んだ数の子は、総てこの条件をクリアしています。

数の子のランクについては、一般には知られていませんが、獲れる産地よって分けられます。
総て数の子は世界各国から輸入され、北海道で加工・箱詰めされ、北海道産として出荷されます。

不思議でしょう。地球の裏側で捕れようが、総て北海道産なんです。

まっとうな生産者(加工者と呼んだ方が正しいのですが)では、一部原産地を書いているところも有ります。

品質のいい順番に、カナダ(太平洋)もの・北米(大西洋)もの・北欧ものとなりますが、この違いは、生育環境による卵質の相違にあります。

◆太平洋は・・・海草に産卵するため→粘着力が高い→パリパリ・ポリポリの数の子
◆大西洋・北欧は・・・砂地に産卵→サクサク・柔らか・グジャグジャの歯触りとなります。


3 数の子はニシンの子供

お正月にオセチなどで食べる 「数の子」 はニシンの子供だという事は、誰でも知っていますね。では、なぜ「数の子」というのかの前に、ニシンの語源を・・・

★日本海沿岸で捕れるから「西の海の魚」→東北の訛りで「ニシンウミ」→「ニシン」へ
★アイヌ語で「ヌーシィ」から→「ニシン」へ

などなど諸説があり数の子は、古い日本語の「カド」(ニシン)の子供だから「カドノコ」→「数の子 」への変化が最近では有力な説だそうです。
実は、その「カド」もアイヌ語じゃないかと言われています。

4 消えてしまった干し数の子

いつの頃から食べられていたのかはまったく分らないのですが、ニシンがそうであったように数の子も江戸時代から北海道の名産品として知られていました。

当時の数の子は現在流通している「塩数の子」とは異なり、天日で乾燥させた「干し数の子」でした。

塩数の子が誕生したのは明治30年代でそれまでは「干し数の子」が使われ、料理屋で使われるのはコチラの方でした。 
それは「塩・数の子」の製造がまだ未熟で色は落ちるが (赤い色をしていたそうです。)歯ごたえ、パリパリ感があり、戻す手間はあるが「干し数の子」のほうがおいしかったからでした。

今でも、年を召された調理人さん(職人さん)は、「干し数の子」がないのかと言われるのですが、残念ながらのぶチャンはまだ一回も見た事がありません。 
あるにはあるみたいですが(10年前に一度あるのを確認しましたが)高くて手が出なかった記憶があります。


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